40歳からの「転職格差」まだ間に合う人、もう手遅れな人

転職

40歳からの「転職落差」まだ間に合う人、もう手遅れな人

本書の著者、黒田真行さんは、リクルートに入社、関西方面の編集長を務め、リクナビNEXTの編集長を務められた方です。

本書では、バブル経済が始まる直前の1988年から30年にわたり、一貫して転職マーケット、企業目線からは中途採用マーケットを見続けてきたとも言われています。

ドキッとするタイトルではなかったでしょうか?私、ビズヤスもその一人でした。

ビズヤスのはじめての転職は40歳からではありませんでしたが、当時、今後のキャリアを漠然と見据え恐怖を感じたことを覚えています。

巻末にて

本書は、企画段階からの編集意図として「情報を知らないことで割を食う可能性がある方のために、できる限り転ばぬ先の杖となるよう、リアルな事例を中心にお伝えしていこう」と考えてまとめたものです…当事者にとっては、不本意であったり、後悔しておられる内容のケーススタディが多く含まれています…楽観的に考えて失敗するよりも、心配をしすぎて杞憂に終わったと思っていただくくらいでちょうどいい、と確信的に考えています。

と黒田さんが言われているとおりのタイトルになっています。

後悔の多いケーススタディから、これからの生き方、キャリアをリアルに考える切っ掛けとなる良い本です。気付け薬として、ぜひお手に取ってほしいです。

なぜ今、転職で格差が生まれているのか?

格差とは

有効求人倍率1.55倍の高水準と言っても、エリア、業種、職種によって求人数には大きな違いがあり、その違いはまさに「けた違い」…つまり、エリア格差、業種格差、職種格差があるのです

と言われています。

ビズヤスは、エリア、業種は問わず、職種はメカエンジニアとして転職活動をしました(今後もこのスタイルは変わらないと思います)。当時、関東、関西、東海地方に求人は集中していましたし、メカエンジニアに比べ、ITエンジニアの求人数が多い状況でした。ビズヤスも確かに「格差」を感じていました。

また、

需要が多い地域の需要が多い職種を選べる、ごく一部の人しか仕事を選ぶことができないのが現実です。…逆に需要が少なく供給が多いエリアや業種、職種では、企業にとって選び放題の状況です。…つまり、1.55倍という有効求人倍率の裏には、非常に大きな「格差」が存在しているのです。

と言われています。

“言われなくとも、当たり前じゃないか。”と皆さん思われるかもしれませんが、転職活動の際は視野が狭くなるもので「格差」を忘れそうになることもあります。井の中の蛙ではないですが、自分を客観的に見ることはとても難しいですよね。

転職先や自分のキャリアを考える上で、転職が成功することは勿論、選択肢を増やす意味でも、無暗に行動したり落ち込んだりしないためにも、「格差」は意識することに越したことはありません。

“体験しないと見えない相場”と”自分を売るマーケット調査”の重要性

転職に失敗した大手家電メーカーのAさん、同じ大手家電メーカーで転職に失敗したBさんを例に、年収の相場観と事前調査の重要性が語られています

  • 「失敗」したAさん(47歳):同業界、同職種、現状の年収にこだわり転職先決まらず
  • 「成功」したBさん(57歳):職種は変わらず、大手家電から中堅住宅業界の室長として
  • 年収の相場はどれくらいなのか?
  • 求人はどれくらいあるのか?
  • 「同業界、同職種」のワナ

上記の事前調査が、転職成功、失敗の成否を分けました。Aさんは、「同業界、同職種」にこだわり過ぎ事前調査をしなかったケースでこれは、転職に失敗する人に共通するポイントのようです。

きちんと、こだわるべきポイントは…「自分が必要とされる場所はどこか」「自分が活躍できる場所はどこか」といったことです。

と黒田さんが言われるように、ビズヤスは、「異業界、同職種」で転職し、個人的には成功したと思っています。相場と自分を売るマーケットの調査は重要です。

以前、ご紹介した本「転職2.0」の、スキル、ポジション、シナジーと同じ考え方ですね。

失敗した人たち、成功した人たち

  • 青い鳥を探して転職を繰り返す「ジョブホッパー」のCさん(47歳)
  • 自分の相場が見えなくなる「大企業病」のDさん(43歳)
  • 自分の軸がない「カメレオン・シンドローム」のEさん(39歳)
  • 「スカウト」という甘い言葉に振り回されたHさん

タイトルに続き、ドキッとする二つ名の、失敗した方のケーススタディです。この方たちの事例から、転職活動を慎重に行えること必須です。どうすればよかったのか等の対策も記載されています。

成功した人たちのケーススタディを下記に2件ピックアップしました。

  • 「女性マネジメント」という強みで大活躍したKさん(52歳)
  • 「ターゲティング」スキルが異業界でも輝いたMさん(49歳)

上記の成功した人たちは、異業界、異業種ために必要な概念、持ち運びできるスキル「ポータブルスキル」を持った方たちがほとんどです。

本書では、

これまでに磨いてきたスキルの中で、他業界に行っても役立つスキル

と紹介されています。

残念ながら本書には、具体的なポータブルスキルの見つけ方はご紹介されていませんが、上記で紹介した「転職2.0」をご参考にされると良いです!

失敗した人たち、成功した人たちのケーススタディが、ご自身のこれからの生き方とキャリアを、間違いなくリアルに感じさせてくれるはずです。

成功に導くポイント

本書では、転職を成功に導くポイントが複数掲載されています。どれも納得感のあるものです。

ビズヤスがポイントを勝手にまとめると、

彼を知り、己を知れば百戦あやうからず。孫子の兵法では無いですが、

  • 求人する企業を知ること
  • 自分がどのような条件でどんな仕事をしていきたいのか、自分を知ること

にまとめられると思います。

企業を知り、自分を知ること

  • 企業は転職者の何を知りたいのか?
  • 求人の目的」から逆算する
  • 人材紹介会社の「推薦状」が第一関門
  • 経験の組み合わせで「強み」を生み出す

本書からピックアップしたものです。

現在は、転職サイトの活用、つまり、人材紹介会社を利用した転職が盛んです。SNS、CMでもよく見ますよね。ビズヤスの転職も、転職サイトから転職エージェントにアプローチしました。

転職エージェントからは「求人の目的」がまとめられた推薦できそうな企業の紹介があり、履歴書や職務経歴書のサンプル等をもらい自身が「強み」を意識し作成することになります。転職エージェントを利用した転職では、これらを転職エージェントが「推薦状」に利用します。

企業側からしても転職者の情報を正確に知ることができる可能性が高い、転職エージェントは利用しやすいということですよね。

企業を効率的に知り、自分を客観視するためにも、転職サイトと転職エージェントの利用は必須だとビズヤスは思います。

転職サイトと転職エージェントの利用は、下準備が必要です。今後の記事にて、詳細をお話ししたいと思います。ぜひ読んでいただければ! ※作成予定

  • 「環境」「ミッションと権限」「達成基準と評価基準」
  • 「カルチャーフィット」を意識する

年収は上がったが、仕事の進め方が合わず心を病んでしまった。など、後悔の多いケーススタディもあるように、

求職者にとっては、「入社後、どのようなことが自分にできるのか」を具体的かつ正直に根拠を示しながら伝えることです。ただし、求職者にとってはそれだけでは不十分です。…本当に自分が必要とされているのか、自分が活躍できる場があるのかを見極める必要があります。

と本書で言われているとおり、正確に自分を知り、企業を見極める必要があります。

自分を知った上で、何部に配属されるのか、何をいつまでにやるのか、何をどこまで達成したらどういう評価になるのか「環境」、「ミッションと権限」「達成基準と評価準」を、企業に確認することも重要です。

日本人は、こうした交渉に慣れていないため、「難しい」と感じるかもしれませんが、後悔しないためには、入社前に最低限の確認は必要不可欠です。求職者の最低限の確認に対して、きちんと対応してくれるかどうかも含めて、「この企業で気持ちよく働けそうか」を入社を決めるまでに見極めましょう。

自分をギブしたら企業からテイクする、同量のギブとテイクがあって良い関係をきづける気付けると、何かの本で読んだ気がしますが、企業と対等な個人としてありたいですね。

まとめ

冒頭の繰り返しになってしまいますが、

情報を知らないことで割を食う可能性がある方のために、できる限り転ばぬ先の杖となるよう、リアルな事例を中心にお伝えしていこう」

をまとめた本が本書です。

ビズヤスに特に響いた一文でこの記事を締めくくりたいと思います。

己の才能に対して失礼な生き方をしていないか
「墓標に何を刻みたいのか」を考えてください

黒田さんは、本気になればたいがいのことはできる、もっと人の役に立つことができる、だから多くの人に喜んでもらえる、それが死ぬときに「いい人生だった」と言えるのではないかと投げかけています。

能力をフルに発揮するのは、一人ひとりの責任、これを発揮しないのは、自分の才能に対して失礼であり、自分が自分自身に失礼なことをしているのだというこを自覚するべきとも言われています。

自身お才能に真摯に向き合い、努力したいですね。

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